子供にイライラして叩いてしまう前に|距離を取るための緊急対処法

子供にイライラして叩いてしまうと不安になる時は、もう気合いで抑える段階ではなく、先に安全を守る行動が必要なことがあります。手が出そうぶつけそう止まらないと感じるのは、子供への愛情がないからではなく、心と体の余裕がかなり削られているサインでもあります。いま最優先にしたいのは、正しく教えることより、叩かないで終えることです。今日は、子供にイライラして手が出そうな時にまずやることを、今夜すぐ使える順番でまとめます。子どもへの体罰は法律で禁止されていて、叩くことや怒鳴りつけることは子どもの権利を傷つける行為になりえます。

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子供にイライラして叩いてしまいそうな時は最優先を変える

このテーマは、きれいごとでは止まりにくいです。
だからこそ、まず考え方をひとつだけ変えます。今日はしつけを成功させる日ではなく、手を出さずに終える日です。

いま大事なのはしつけではなく安全です

言うことを聞かない、何度言っても同じことをする、急いでいるのに動かない。そんな場面で一気に怒りが上がることはありますよね。でも、手が出そうな時にその場でわからせようとすると、ますます危険になりやすいです。
いま必要なのは、子供を変えることではなく、自分の動きを止めることです。

体罰は、親がしつけのつもりでも、子供に苦痛を意図的にもたらす行為であれば禁止されます。頬を叩く、お尻を叩く、長時間正座をさせるなども体罰にあたると示されています。

自分を責める前に止める行動を決めます

こんなことを考えるなんて最低だ、とすぐに自分を責めたくなるかもしれません。けれど、自分を責めるほど心は固くなり、次の一手が遅れやすくなります。
まずは反省ではなく、止める行動です。

  • 数歩離れる
  • 息を長く吐く
  • 水を飲む
  • 誰かに連絡する

この4つのうち、ひとつできれば十分です。
完璧に落ち着こうとしなくて大丈夫です。手を出さない方向に一歩ずらせたら、それが最初の成功です。

子供に手が出そうになる時に起きていること

子供にイライラして手をあげそうになる時は、子供の行動だけで爆発しているわけではないことが多いです。

土台の消耗が大きいと、怒りは急に見えても、実は積み重なっています。

疲れと寝不足で余裕がなくなっている

眠れていない、座る時間がない、食事も適当、気が抜ける時間がゼロ。こういう日が続くと、普段なら流せることにも強く反応しやすくなります。
子供が悪いというより、自分の回復が足りていない状態です。

思いどおりに進まないことが重なっている

朝の支度、ごはん、お風呂、寝る前。子育ては、思いどおりに進まないことの連続です。
しかも親には時間制限があります。急いでいる時ほど、子供のゆっくりした動きや、ふざけて見える行動が強い刺激になります。

ひとりで抱え込みすぎている

頼れる人がいない、頼み方がわからない、弱音を吐く場所がない。そうなると、怒りは子供に向きやすくなります。
本当は、もう無理、少し助けてほしいというサインかもしれません。

怒りを我慢し続けて限界になっている

いい親でいたい、穏やかな母親でいたいと思うほど、怒りを我慢し続ける人もいます。
でも、我慢だけでは消えません。ため続けた怒りは、ある瞬間に一気に大きくなります。
だから必要なのは、我慢を強くすることではなく、途中で逃がすことです。

子供にイライラして叩いてしまう前の緊急対処法

ここは、今夜すぐ使う部分です。
順番も大事なので、そのままなぞれる形で書きます。

その場を安全にして数歩離れる

まず、子供の安全を確認します。転ぶ物、危ない物がないかをざっと見て、見える範囲で数歩だけ離れます。
別室に行けるなら行ってもいいですが、小さい子なら見える距離を保ちながらで大丈夫です。

ポイントは、追いかけないことです。
追いかけながら注意すると、怒りは上がりやすくなります。まず止まる、離れる。この順番です。

息を長く吐いて手を止める

手が出そうな時は、思考より先に体が動いています。なので、頭で考えるより、まず体を止めます。
おすすめは、吸うより吐くです。

鼻から軽く吸って、口からゆっくり長く吐く。
これを3回だけでも十分です。
手を握るより、手を開いて太ももか壁にそっと触れると、動きが変わりやすいです。

声を出す前に水を飲む

次に、動作をひとつ挟みます。
コップ一杯でなくても大丈夫です。ひと口でいいので、水かお茶を飲みます。

飲むという動作が入るだけで、怒りの勢いが少し切れます。
言葉を出す前に動作を入れる。これだけで、叩く、怒鳴るの流れがずれます。

今日は教えるより落ち着くことを優先する

手が出そうな時に、その場で理解させようとするのは危険です。
今日は教える日ではなく、荒れないで終える日です。

たとえば
今は一回やめよう
あとで話すね
いまはお互い落ち着こう
このくらい短い言葉で十分です。

長い説明や説教は、親も子もさらに熱くなりやすいです。

頼れる人に短文で助けを出す

本当に危ないと感じる時は、ひとりで抱えないことが大事です。
電話がしんどければ、短文で大丈夫です。

  • 今すごく危ない、少し話せる?
  • いま子供に強く当たりそう、来られる?
  • 少しだけ代わってほしい

これを送れるだけでも違います。
助けを呼ぶのは大げさではなく、安全のための行動です。

手が出そうな時にやらない方がいいこと

ここは、ブレーキ用に決めておくと役立ちます。

追いかけながら言い続ける

子供が逃げる、親が追う、この形になると感情は一気に上がりやすいです。
言うなら止まってから、短くです。

人格を否定する言葉を重ねる

子供への暴言や存在を否定する言葉も、子供の心を傷つける行為として扱われます。心理的虐待には、ことばによる脅かし、無視、拒否的態度、子どもの自尊心を傷つける言動などが含まれます。

だからこそ、
なんでこんなこともできないの
ほんとにだめだね
生まれてこなければよかった
のような言葉は、絶対に重ねないと先に決めておくことが大事です。

その場で完璧にわからせようとする

限界の時に完璧な対応を目指すと、逆に崩れやすくなります。
今日の目標は、手を出さないこと。そこまでで十分です。

もし叩いてしまった後にやること

本当はここを使わずに終えたいですが、もしそうなってしまった時も、そこから止めることはできます。

まず子供の安全を確認する

痛がっていないか、けががないか、まず確認します。
そして、その場でこれ以上続けないことが最優先です。

こども家庭庁の資料では、叩く、殴る、蹴るなどは身体的虐待の例として示されています。

先に親が落ち着く

すぐに言い訳や説教を重ねるより、先に落ち着きます。
ここでも、離れる、吐く、水を飲む、で大丈夫です。

短く謝って言い直す

落ち着いたら、長く説明しすぎず短く言い直します。

  • さっきは手が出てしまった、ごめんね
  • 怖い思いをさせたね
  • 言い方を直すね

何もなかったことにしない方が、子供は混乱しにくいです。

一人で抱え込まず相談先につながる

また起こしそうで怖い、止められる自信がない、今すぐ誰かに入ってほしい。そう感じるなら、すぐに相談先につながってください。
児童相談所虐待対応ダイヤル「189」は、匿名で相談でき、内容の秘密も守られます。通話料は無料です。

また、親子のための相談LINEは、子育てや親子関係について悩んだ時に、18歳未満の子どもとその保護者などが相談でき、匿名でも利用できます。地域ごとの受付時間を確認して使えます。

イライラを子供にぶつけにくくするチェックリスト

今夜だけでなく、明日以降の土台も見直します。
全部変えなくて大丈夫です。ひとつ減らすだけでも違います。

体の疲れを見直す

次のどれかが続いていないか見てください。

  • 寝不足が何日も続いている
  • 食事を急いで済ませている
  • ひとりで座る時間がない
  • 体調不良を押して動いている

これだけでも、怒りは大きくなりやすいです。

予定を詰め込みすぎていないか確認する

  • 朝にやることを入れすぎていないか
  • 子供の準備時間を短く見積もりすぎていないか
  • 家事を全部やろうとしていないか

子供が悪いというより、予定の方がきつすぎることも多いです。

頼る相手と逃げ道を決めておく

  • いざという時に連絡する人を一人決める
  • 数分だけ代わってもらえる相手を考える
  • 相談先をスマホに保存する

逃げ道が見えているだけでも、心は少し違います。

自分への基準を少し下げる

  • ごはんは簡単でいい
  • 片づけは半分でいい
  • 今日は穏やかに終われたら合格

減らすことは手抜きではなく、安全のための調整です。

今すぐ助けを借りていい場面

ここはかなり大切です。
次のどれかなら、ひとりで頑張るより先に助けを使ってください。

また手が出そうで怖い時

今日だけでなく、何度も続きそう、自分で止められる自信がない。
この時点で十分、相談していいです。

子供の安全が心配な時

すでにけががある、強くぶつけてしまった、今後も危ない。
この場合は、ためらわず外につながってください。
児童相談所虐待対応ダイヤル「189」は、虐待かもと思った時や不安がある時に、匿名で相談できます。

ひとりでは止められないと感じる時

誰かが間に入らないと難しい時は、すぐに家族、地域の窓口、189、親子のための相談LINEなどを使ってください。親子のための相談LINEは保護者も利用でき、匿名相談もできます。

今夜やること3つ

30秒でやること

いま、手を止めて息を長く吐いてください。
吸うより吐くを意識して、肩の力を少し抜きます。
それだけでも流れは変わります。

3分でやること

スマホのメモに一行だけ書いてください。
今日いちばん危なかった場面はどこだったか。
子供が悪いではなく、自分は何に追い詰められていたかを書きます。

たとえば
朝の時間が足りなかった
眠れていなかった
頼れなくて苦しかった
このくらい短くで大丈夫です。

明日やること

明日の合格ラインを一つ下げてください。
全部ちゃんとやるではなく、一つ減らすです。
そして、189か、親子のための相談LINEか、連絡できる人のどれか一つを、すぐ出せる場所に置いておいてください。189は匿名・無料で使えますし、親子のための相談LINEは保護者も使えます。

今いちばん大事なのは、ひとりで抱えたまま気合いで乗り切ろうとしないことです。
手を出さずに終えるために、距離を取る、助けを呼ぶ、その2つを最優先にして大丈夫です。

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